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移住者が伝える、波佐見への移住

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{連載}フリーカメラマン・杵嶋宏樹さん「翼をください」 epi.6 豊津ももさん

▲豊津ももさんの見ている景色

ももさんのお名前の由来をお聞きすると、お庭に植えられた「源平桃(げんぺいもも)」から名付けられたということでした。どんな木なんだろうと思って、花が咲いている時の写真をスマートフォンで見せてもらいました。

桜が咲き乱れるころに、ソメイヨシノの花の姿とは少し違った花をつけている木を見つけると、これはなんという名の桜か、あるいは梅か桃かもしれないなと考えることがあります。考えるといっても、調べるわけではないので、ソメイヨシノよりも花の形が強くてバラっぽいなとか、単純に花の色を見て、白いなとかピンクというより桃色だなとかを感じながら見ることがあります。

そういった時に見つけたことのある木が、ももさんの名前の由来の「源平桃」という種類だったことを、写真を見せてもらって知りました。

花びらそれぞれが赤色だったり白色だったり混じっていて、赤い色の勢力の強い花もあれば、白色が優勢の花もあったりします。昔の人は、一本の木の中で赤い軍勢と白の軍勢が競っているように見えるさまを源氏と平家と考えたようです。

辞書だと別名が「日月桃(じつげつとう)」とあるので、昔の人は「日」と「月」の競争だとも感じたんだと思います。


書き手/カメラマン 杵嶋 宏樹
1979年神奈川県出身。2000年「東京工芸大学 芸術学部写真学科」入学、2004年卒業。「広川事務所」に就職し、写真家・広川泰士氏のアシスタントを務める。29歳に独立し、ラジオ番組のスチールや雑誌など関東を中心に活動。2023年12月に波佐見町へ移住。

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