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移住者が伝える、波佐見への移住

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{連載}2023年に波佐見に移住した、カメラマン・杵嶋宏樹さんの連載がはじまります。

杵嶋さんと初めて会ったのは、2023年8月でした。きっかけは、イクツアルポークに届いた一通の問い合わせ。

「移住を考えており、小さな写真館やスタジオで生計を立てて暮らしたいと考えております。27日まで伊万里市の親戚の家に滞在しておりますので、もし直近で、ご都合が会いましたらお会いしてお話を聞かせていただけるとうれしいです」

“スリムで背が高く、シュッとした街の人”といった印象だった杵嶋さん。お話を伺い、波佐見町を案内しました。ほんの1時間くらいだったと思います。それから、いくつかメールのやりとりをして、その年の12月に「家が決まったので、12月25日に移住することになりました」という報告が。「え!?もう!?」と驚いたのを覚えています。

次に再会したのは、2024年1月1日早朝のこと。初詣で「鹿山神社」に行ったところ、カメラを持ち、地元のおじさんたちとおしゃべりする杵嶋さんの姿が!なんと、フラッと散歩に訪れて、12月31日から撮影をしながら年末年始のお手伝いをしていたんだとか(すごい順応力!)。

それからも、時々杵嶋さんが町を歩いているところを見かけることがありました。手には、いつもカメラ。「あぁ、町の様子を撮影しているんだな」そう嬉しく思いました。

前置きが長くなってしまいました。移住して1年目の杵嶋さん。人脈もなく、長崎での仕事はこれからです。杵嶋さんのことを知ってもらえたら、という思いから杵嶋さんに連載を依頼しました。

杵嶋さん「テーマは…犬とかどうかなぁ」

犬!!その視点はありませんでした!

ということで、ライフワークの散歩で出会った波佐見のワンちゃんたちを切り取る連載のスタートです。町の人から「うちのこも撮ってくれんね!」と声がかかるようになったら嬉しいな。

IKTSUARPOK 福田


以下、杵嶋さんからのメッセージです

2023年12月から波佐見町に暮らし始めたカメラマンです。

親戚の住んでいる佐賀県伊万里市近郊で住まいを探しはじめていたときに、東京の仙川という街で「aZi」という洋服屋さんをしている先輩、三詠子さんに波佐見町のことを教えてもらいました。「あなた波佐見町なんて、おもしろいんじゃない?」だったか。三詠子さん行きつけのお店でふたりで食事をしながら、移住や家族のことなど色々な話をした時でした。すっとグラスに満たされるように、「波佐見町」という未知の景色が僕に注がれました。

それからすぐに波佐見町に行ってみることにしました。その日は伊万里市、有田町とまわった後でしたので、波佐見町役場とやきもの公園と西の原に立ち寄ったぐらいで、あとは車で県道1号線を行ったり来たりの2時間くらいの滞在でした。車を運転していて、歩いて目に写るスピードじゃないとわからないなと思いました。同時に波佐見町は歩けるなと思いました。カメラ持って歩きまわったらよさそうだと。東京にもあるようなお店が立ち並ぶことがないことは僕にとってはありがたいことです。それから、丘のような山が並んでいることは果てしない感じがしなくて、安心します。歩いて行くことのできる範囲を守っていてくれる感じがします。あと、ただただ山から雲が湧いているのをずっと見ていられます。波佐見町に移住してからの散歩では、出会った人と挨拶を交わすことがはじまりました。それまでは歩いていて知らない人とすれ違う時、あまり視線を合わさないようにしていたのですが、波佐見の子供たちがみんな挨拶してくれるので、自分もそれに倣って誰彼かまわず挨拶できるようになりました。たまに立ち話になることがうれしいです。

波佐見町に関するブログを書いてみませんかとお話をいただいたときに、パッと散歩で出会う人のポートレートを撮りたいと閃いたのですが、散歩で出会う犬の方がいいんじゃないかと考えて、今回から犬のポートレートをはじめたいと思います。タイトル「翼をください」は、ラジオで藤原さくらさんが弾き語りでこの曲を歌っていて、なんかハマった感覚になり決めました。これからどうぞよろしくお願いします。

photo kishima hiroki

杵嶋宏樹
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