散歩をしていていると目に映る風景は冬の季節独特の暗く重たい雰囲気になってきました。目線の先にある山の斜面は常緑樹の重たい緑で暗く、足元の歩道も枯れ草が伸びて、歩きづらかったりします。乾燥をしているせいか、夏にくらべると遠くのものがはっきり見える気がします。やきものの街ならではの煉瓦造りの煙突を、建物の一群の中から見つけながら散歩をしていると、そんな中で、色づいた葉っぱをつけている木々にも目を惹かれます。
ディディさんとお会いしたのは12月の初めでしたので、紅葉もまだあちこちで見ることができました。はじめは「やきもの公園」で待ち合わせをして撮影をお願いしていたのですが、もっと紅葉の綺麗な公園があるということで「鴻ノ巣公園」へ移動することにしました。
鴻ノ巣公園は南小学校の裏手にある鴻ノ巣山という小さな山一帯を整備したようで、ふもとの遊具のエリアから頂上の展望台まで散策できる山道もありました。
バードウォッチングをしている親子に出会ったので聞いてみると「つぐみ」を観察しているところでした。「つぐみ」と聞いてもわからなかったのですが、近くに「森に来る野鳥たち」という看板が立てられていて、鳥のイラストと名前が描かれていました。「つぐみ」がどんな容姿なのかも、そこで見ることができました。
書き手/カメラマン 杵嶋 宏樹
1979年神奈川県出身。2000年「東京工芸大学 芸術学部写真学科」入学、2004年卒業。「広川事務所」に就職し、写真家・広川泰士氏のアシスタントを務める。29歳に独立し、ラジオ番組のスチールや雑誌など関東を中心に活動。2023年12月に波佐見町へ移住。
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