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移住者が伝える、波佐見への移住

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{イベントレポート}仕立て屋のサーカス 波佐見公演

いつか、観てみたいと思っていた「仕立て屋のサーカス」が波佐見で公演するということで、5歳の娘と一緒に行ってきました。

12月に入って、朝晩は急に冷え込んできた波佐見。移住相談を受けていると、「暖かな土地が良いと思って、九州で探しているんです」と言われることがあります。いーえ、九州だってしっかり寒いです。特に波佐見は盆地なので、朝晩は冷凍庫のような寒さです。お気をつけを。
会場は西の原にある国登録有形文化財の「波佐見講堂」。波佐見焼のシンボルであるコンプラ瓶が入口まで導いてくれていました。
講堂は満員。18歳未満は無料ということで、子どもたちもたくさん来ていました。今回この公演を観ようと思ったのも、子連れで行っても問題なさそうだと思ったから。小さなころから舞台や演劇を観せたいと思いながらも、やはり周囲の迷惑にならないかと心配して敬遠してしまうものですよね。
中央がステージで、それを囲むように雑貨や飲食店が並んでいました。18時からの公演ということで、特に飲食ブースが大盛況。
中央部分は布が敷き詰められていて、床に座って間近で観劇することができます。演者にじわじわ近づいていく娘…笑
演者はふたり。演出家・音楽家である曽我大穂さんと、服飾家のスズキタカユキさん。
曽我大穂さんが楽器を演奏したり、言葉を紡いだり、自由に動くなか、スズキタカユキさんがその場で布を切り、ミシンをかけ、曽我大穂さんに纏わせていきます。
音楽家×裁縫師による音と布のサーカス、と謳われているこの公演。「一部の現代アートのように、“素晴らしい”と感じることを強要されるのでは」と少し緊張していた私(ひねくれもの 笑)。
それは意外にも違く、間に挟まれる曽我大穂さんのトークは親しみのもてるものだったし、私の周りでは子どもは寝っ転がったりしていて「サーカス」という“庶民の娯楽”的な要素も感じることができました。(そんな意図があるかは知らないけど)
物語が佳境に近づき、紙吹雪が舞った時。スクッ!と立ちあがり、ステージにぐんぐん近づいていく娘(左のおだんご頭)。「まさか!飛び込みで共演するのか!!」と緊張しましたが、ただただ紙吹雪が欲しかっただけだったとのこと 笑!

なんだか、夢のような2時間でした。娘に「どうだった?」と聞いたら『鳥さん、おらんくなったね』と一言。確かに、色とりどりの布を纏った曽我大穂さんはどこかの南国の鳥のようでした。

田舎に住むと、芸術や美術に出会うことが難しいのが現実(もちろん、その代わりに自然が感受性を豊かにしてくれるんだけれども)。こういった機会がたくさん設けられると嬉しいな、と思いました。

{今日の一枚}