こんにちは、波佐見の福田です。1才9ヶ月の娘が「これなん?」を覚えて、目に入るものすべてに「これなん?」。毎日「これなん?」地獄です。
さて、今回紹介する出展者は「アトリエ やま」さん。まずは、作者をご紹介する前に、作品を見ていただきましょう!
幾度となく「え!?若い女性が作っているんじゃないんですね!」と言われてきたそうです 笑。そうです、こんなにも可愛くセンスのある動物の置物を作るのは、女性でも、若い方でもありません(失礼!)。
「アトリエやま」の山下さんは、佐賀県武雄市出身。お父さまが窯元に勤めていたこともあり、有田工業高校のデザイン科に進みます。そして、そこで生涯の仕事を決める大きな出会いに恵まれました。
高校3年生の時に出品した陶磁器コンペ。その際に指導をしてくださったのが、世界的なデザイナーの故森正洋氏で、「田舎にいても、世界的に活躍することができるのか」と驚き感動したそうです。生涯の職業を陶磁器に決めた山下さん。1964年から波佐見町の窯業技術センターに勤め、定年を迎えるまで陶磁器デザインに携わってこられました。
自身のギャラリーを構えたのは2013年のこと。少しずつ作りためてきた動物シリーズが30体ほどになったのを機に、「白磁のどうぶつえん アトリエやま」をオープンさせました。
山下さんが作る動物たちは、動物そのままの姿ではなく、表情やフォルムがデフォルメされています。
デザインをする時にイメージするのは、“豊かな自然の中で穏やかに、そして生き生きと躍動する”動物たちの姿。
その姿は、のびのびしていてどこかユーモラスです。
「シンプルな作品は一見簡単そうに見えますが、美しいフォルムをつくるために設計段階から原型、成形仕上げに至るまで気を抜けません。」と山下さん。デザインから原型、成形、焼成まですべてご自身でされています。
一昨年からは、一輪挿しも作品に加わりました。
「生地に穴が空いた」という失敗から生まれたこのシリーズ。気取らない野の花が似合うのは、動物がモチーフだからでしょうか。
相変わらず、思いが溢れて長くなりすぎてしまいました。本当は、釉薬のこと、白へのこだわり、無釉の挑戦など、もっとお話したいことがたくさんあるのですが…。
イベントには、もちろん山下さんも売り場に立ちますので、ぜひお話を聞きにきてください(自分だけ年寄りで恥ずかしい!と言っている山下さん。みなさん、気さくに声かけてくださいね 笑!)。
嘉麻と波佐見の作家市
会場/西の原 モンネポルト(長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2187-4)
日程/9月29日(日)
時間/11時〜17時
入場/無料