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{連載}正美さん、山登りのこと教えてください! 2座目「日帰り登山の装備、見せてください」

一座目「18歳で大きなお屋敷のお手伝いさんに!?」の記事はこちら


超文化系の私が、登山を始めるにあたって悩んだのが、靴や持ち物などの装備でした。

「軽装で行って遭難…なんてことになると怖い。かといって、本格的なものを買って使いこなせないともったいない…」
ということで、ひとまずメルカリや自宅にあるものでどうにか準備。

年に数回登山をしただけなので、今のところ困ったことはないのですが、少しずつ欲が出てきて「もっといい装備があるんじゃないかな?本格的にやっている人はどんなものを使っているんだろう?」と興味がムクムク。

そうだ!そんな時は、正美さんに相談だ!ということで、“近場の日帰り登山”をテーマに普段の装備を見せていただきました。

ザックは軽量で丈夫なLITEWAYをカスタマイズしてより快適に

ジャーン!正美さんの日借り登山の装備はこちらです。

背負うとこんな感じ!あれ?私より荷物が少ないような…。ついつい心配になって荷物多くなる民の私。さては、無駄な荷物で体力を消耗していたな…笑

全部は紹介しきれないので、ピックアップしながら紹介していきます。
まずは、ザック(*1)から!

正美さん「このザックはもう何代目かな?最初はグレゴリーを使ってたけど、今はLITEWAYを使っています。日帰りなら、20〜30L位。お弁当入れるなら30L位がいいかな。本格的な登山ならガッツリしたザップを使うけど、日帰りなら軽くて丈夫なこれを使います。背中に、ジャムさんのバックパック専用パッドを付けています」

LITEWAYのザックはとにかく軽量で、正美さんが使用している「GRAMLESS PACK ULTRA 35L」はわずか396g!しかも、開口部はロールトップ方式なので取り出しやすく、荷物のボリュームに合わせた調整ができます。
ただ一点気になるのが、背面メッシュがないこと。ということで、正美さんは「MOUNTAIN JAM」オリジナルの背面パッドでカスタマイズ。クッション性と、取り外して洗える快適性をプラスしました。

正美さん「この背面パッドは山友にも人気で、一緒に登山した仲間も写真を撮ってました。“これですね!”って感じで 笑」

ザック/「LITEWAY」 GRAMLESS PACK ULTRA 35L White
LITEWAY(ライトウェイ)…テントやザックなど、ウルトラライトギアを作るウクライナのブランド。軽さと強さを両立させながら、シンプルで美しく、洗練されたデザインが人気。
バックパック専用 パッド/「MOUNTAIN JAM」JAM WavyPad UL
MOUNTAIN JAM(マウンテン ジャム)/長崎県大村市にあるアウトドアセレクトショップ。日常生活の中でも愛用できる道具や、店主のオススメギアなどを取り揃えている。オリジナル商品も多数。

*1…ザックはドイツ語で「Sack(袋)」に由来する言葉で、登山用の高機能なリュックサックを指すことが多い

靴は形だけじゃなく、自分の足に合うものを。ソールはVibramで統一

登山を始めるうえで、最初に悩むのは靴ではないでしょうか?たくさんのブランドがあり価格のピンキリ…。
正美さんはどのような基準で選んでいるのでしょう?

正美さん「靴はね、今はこの3足。奥がトレラン(*2)用で、黒髪山とか日帰りの気軽な登山。真ん中が一番使うかな。冬場とか。真ん中と手前は同じLOWA(ローバー)っていうブランドのもので、手前は重いけど長く愛用しています」
福田「選ぶ基準は何ですか?」
正美さん「形だけじゃくて、自分の足に合うものがいいですね。あと、私は靴底がVibram(ヴィブラム)のものを選んでいます」

靴底を気にしたことはありませんでした!Vibramの靴底は、軽さと柔軟性、長時間の歩行に耐えうる衝撃吸収力に優れ、足整形外科医より推奨されているんだそう。
ちなみに、LOWAのトレッキングシューズは、公式サイトでは3万円前後〜6万円前後くらいで販売されていました。

靴/「LOWE(ローバー)」
LOWE(ローバー)…1923年にドイツで創業した登山靴メーカー。抜群のフィット感とそれによりもたらせる快適性が特徴。品質基準を保つために、ヨーロッパ生産にこだわっている。
靴底(ソール)/「Vibram(ヴィブラム)
Vibram(ヴィブラム)…アウトドアやレジャー、ワークウェア、ファッション、整形・矯正分野に向けた高性能ゴムソールの開発・製造で世界をリード。


*2…トレイルランニング(通称トレラン)とは、陸上競技の長距離走の一種。様々な種類の地形 (砂地・林道・森の小道・雪道など)や自然環境で行われるスポーツ

もしもの時の備え。“ファーストエイドキット”は登り慣れた山でも必須

福田「これは救急セット(ファーストエイドキット)ですね。何を持って行きますか?」
正美さん「消毒液や絆創膏、はさみ、ポリ袋、膝のサポーターなどですね。あ、入れておくといいのが生理用のナプキン。もしもケガをした時なんかは、ナプキンをあてておけば清潔だし、血を吸収してくれるからいいですよ」
福田「目から鱗です!!広範囲でケガした時なんかに活躍しますね。子どももよく擦り傷をするんですが、広範囲だと絆創膏を何枚貼っても足りない 笑。今度から常備するようにします」
正美さん「あと、ロングな山登りなんかになるとお風呂とか入れないでしょう。そんな時は、下着にナプキンをつけて取り替えたら清潔に保ちやすいですよね。ほら、あの赤ちゃんのおむつが臭わない袋があるでしょう。あれに入れれば臭い対策ができます」
福田「なるほど〜!これは防災にも役立つ知恵ですね。勉強になりました」
正美さん「あとは塩。今年の夏なんかもそうだったけど、暑かったでしょう。水やポカリスエットとかだけじゃダメで、必ず塩も持っていきます。足が攣った時なんかもペロッとなめて。山での調理にも使いますけどね」

福田「使ったことないんですが、ストックはあったほうがいいですか?」
正美さん「ストックはあると楽ですよ。あと、もしケガをした時には支えになるし、骨が折れた時には副木として支えになるから」
福田「なるほど、そういう時にも活躍するんですね!」

山時間を楽しむ調理器具!“野点(のだて)”コーヒーが充実するアイテムも

山の上では、コーヒーを淹れたり簡単な調理をして食事を楽しむこともある正美さん。コンパクトな荷物の中には、山時間を楽しむアイテムが揃っていました。

福田「登山では、調理もされたりするんですか?」
正美さん「山友がいるときはわりとするけど、ひとりの時はたいしたことはしませんよ 笑 。でも、1人でも何か作りたいなっていう時は、こういうのを持っていきます」

福田「これは何ですか?鳥のクチバシみたいな…」
正美さん「コーヒーをドリップするとき、こういう鍋だとジャバって一気にお湯が入っちゃうけど、これを縁につけたらチョロチョロって少しずつ」
福田「手持ちのマグにつけられるんですね。すごい便利アイテム!こういうのはどうやって見つけるんですか?」
正美さん「うーん、ネット 笑。あとはJAMさんとか、福岡の小倉にあるHouHou(ホウホウ)さんにも行きますね。いいのがありますよ」

マグ用注ぎ口/「楽歩京都工房(らっぽきょうとこうぼう)」森乃雫
楽歩京都工房(らっぽきょうとこうぼう)…京都市で、アウトドアドリップ・外コーヒーで活躍する、マグ用注ぎ口などを製作。
おすすめのお店/旅道具と人 HouHou(ホウホウ)
福岡県北九州市小倉北区。“山も街も軽やかに、心地よく”を合言葉に、セレクトアイテムからオリジナル商品まで幅広く取り揃える。

福田「この木のマグカップも素敵ですね!」
正美さん「これは鹿児島のジンカップで、鹿児島のタブノキとかを削り出して作っているんですよ。ほら、このチタンのカップもあるけど、これは冬だとすぐ冷たくなるんですよ。そういう時は、この木のマグがいいですよね。相棒です 笑」

マグカップ/「Akihiro Woodworks」ジンカップ(木製)
Akihiro Woodworks…鹿児島県を拠点とする木工集団。ジンカップなどオリジナルのプロダクト製品のほか、家具・店舗・住宅内装・彫刻作品・インスタレーション作品など、幅広く活動している。

福田「それぞれメーカーが違うのに、すごくコンパクトに収納できるんですね」
正美さん「荷物は小さくがいいよね。色々組み合わせながら、できるだけコンパクトにしています」

行動食は手軽にカロリーがとれるもの。水でも戻せる携帯おにぎりは防災食にも

山登りで欠かせないのが、エネルギーや栄養を手軽に補給するための「行動食」。

福田「行動食はどういうものを?」
正美さん「カロリーが高いものですね。この小袋は黒糖ナッツ、昨日食べてしまってないけど羊羹とかも持っていきます」
福田「なるほど〜。私は子どもと行くので、グミとかキャラメルも持って行きます。疲れた時に一口食べると元気になりますよね」
正美さん「お昼ご飯には、このおにぎりがいいんですよ。お湯を入れるだけで、きれいな三角のおにぎりになるんです。アルファ米(*2)で、熱湯で15分、水だったら60分でできる。1個300円くらいだったかな?」
福田「水でもいいんですね!5年の長期保存だから、防災の非常食にも良さそう」

行動食/「尾西食品」携帯おにぎり(鮭・わかめ・五目おこわ・昆布)
尾西食品…長期保存食のパイオニア。携帯おにぎりのほか、アルファ米ごはんシリーズ・米粉めんシリーズ・クッキーやパンなどもある。

*3…炊きたてごはんを急速乾燥したもの。水やお湯を加えることで、炊き立てのようなご飯に戻る

登山グッズは沼!?山友と情報交換しながらチョイス

たくさん紹介しましたが、「これでも1/3くらいよ!」と笑う正美さん。機能的で便利なこれらのアイテムは、信頼するセレクトショップや山友との情報交換で見つけているそう。

「これは…沼ですね 笑」
広げた登山グッズは手際良く収められ、あっというまにザックのなかに。登山自体ももちろん楽しいのですが、このような装備を自分らしく揃えていくのも面白みですね。


今回は日帰り登山をテーマに、正美さんの普段の装備を見せていただきました。様々なアイテムを見ながら思ったことは、
「この準備がいつもザックの中にあれば、災害のときにもきっと役立つ」
ということ。遊びと実益が伴う趣味だな、とますます登山への興味の高まりを感じました。

さて、次回は実際に正美さんと登山に行ってみたいと思います!お楽しみに。

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