波佐見のお土産といえば、波佐見焼。でも、「好みもあるし、器をプレゼントするのはハードルが高い…」と躊躇される方も多いのではないでしょうか。
そんな時には“やきもんいがい”はいかがでしょう?波佐見には、やきもん(やきもの)以外にも魅力的なお土産がたくさんあるんです!

農業のイメージがあまりない波佐見町ですが、実は豊かな自然を生かした農作物も自慢です。今回ご紹介するのは、そのなかでも“知る人ぞ知る名品”の原木しいたけです。


原木しいたけの栽培を生業としているのは、木場山(こばやま)の楠本さんと小佐々さんの2軒。
なかでも「楠本農園」の楠本和義さんは、18歳から原木しいたけの栽培に携わっており、平成17年に林野庁が認定した「日本の森の名手・名人100人」にも選ばれた凄い人なんです。
そんな“山の人”としても有名な楠本さんは、クヌギなどの雑木に菌を打ち込んで育てる原木しいたけにこだわって栽培しています。
ちなみに、私たちがスーパーなどで見かける椎茸の多くは“菌床しいたけ”と呼ばれるもの。おがくずと栄養材を混ぜて作った菌床に、椎茸の菌を植え付けて栽培します。施設内で温度や湿度が管理され、年間を通して安定的に、そして短期間で大量生産できるのも特徴です。



「わたしの椎茸づくりは、山を育てることから始まります。原木しいたけに使う木は、一番栄養分を蓄える秋に切って、1〜2ヶ月かけて枯らします。その後、しいたけ菌を打ち込んで、2年かけて育てます。5〜6年使用して栄養分がなくなった原木は、カブトムシの幼虫が食べてフンになり、それをミミズが食べて栄養分を作り、また木が育つ…。自然のサイクルになっているんですよ」

楠本さんの山仕事に同行したのですが、木を切る前に塩と酒でお清めをされていました。これは、木の神様や木霊への畏敬の念を示すとともに、伐採による不幸を避けるためだそう。静かな山のなかで木に向き合う楠本さんの姿は、まさに山の人。この誠実な姿勢は、どんな仕事にも通じるのではないかなと思いました。

楠本さんが育てる原木しいたけは、楠本さんの仕事ぶりを表す自然本来の味わい。肉厚で旨みが強く、今まで食べてきたしいたけには戻れない美味しさです。その美味しさは評判を呼び、東京や京都などの料理屋でも使用されているそう。


今回は、椎茸の軸と生ハム、ニンニク、イタリアンパセリなどをオリーブオイルで和えたものをのせて焼いてみました。椎茸の風味が強く、主役級の一品になります。また、マッシュルームのようにポタージュスープにするのもおすすめです。
椎茸は洗うと風味が落ちてしまうため、キッチンペーパーなどで汚れを拭く程度が良いそうです。すぐに使いきれない時には冷凍を。なんと、日持ちするだけでなく旨み成分がアップするんだとか!
町内では「農産物直売所 どろんこの里」や「さわやか市場」などで購入できます。ぜひ波佐見にお越しの際は手に取ってみてくださいね。
楠本農園
住所/長崎県東彼杵郡波佐見町永尾郷1795
問い合わせ/0956-85-6685
{波佐見で購入できる場所}
農産物直売所 どろんこの里
住所/長崎県東彼杵郡波佐見町宿郷839-1
さわやか市場
住所/長崎県東彼杵郡波佐見町田ノ頭郷886-1
※夏場は原木しいたけの販売はお休みです